「山」という言葉トップページ > 「山」という言葉「山」という言葉 当HPでは、「森林」の表記を採用していますが、 わたしたちは、日常において「山」という言葉を使っています。 日本ならではの自然環境や、 山と人との密接な関係性が含まれる「山(やま)」という言葉について、 心に留めて頂きたいと思い、以下に綴っています。「山」と「森」 緑生い茂る目の前の景色。 わたしたちは、これを「山」と言ったり、「森」と言ったりします。 局ヶ岳山麓より西への眺望 もともと「山」は、周辺の土地よりも高く盛り上がったところ、 「森」は、木々が生い茂っているところを意味しますが、 わたしたちの多くが 「山」 = 「森」 として、その言葉の区別を意識することなく使っています。 富士見ヶ原より烏岳をのぞむ これは、日本において、急峻な山地形が多く、そのほとんどが植生に恵まれているためであり、 世界に目を向けると、必ずしも mountain = forest ではありません。 飯高町蓮 春の山に霞立つ 日本の温暖多雨な気候、山谷を繰り返す複雑な地形、それらが生み出す豊かで再生力の強い植生。 これらがあって、はじめて 「山」 が 「森」 となります。 飯高町蓮 当社ぬた原山林にて わたしたち林業従事者や山間地域に暮らす人々は、 木々が生い茂るところのことを、そこがどんな地形でも「山」 と言います。 「山へ行く」や「山仕事」であって、 「森へ行く」や「森仕事」 ではありません。 昔話の桃太郎でも、おじいさんは 「山」 へ柴刈りに行きます。 わたしたちが使う 「山(やま)」 という言葉には、 山への愛着、 尊敬、 畏怖、 親しみ、様々な関係性や情緒が込められています。